2011年04月10日

男の浜下り、ピーリンポーリン!

沖縄にも、「ひな祭り」に相当する女性限定の行事があります。


沖縄は、もともと旧暦社会だったので、新暦ではなく旧暦3月3日(今年2011年は4月5日に相当)にお祭りをするのです。
その行事は「浜下り」と呼ばれます。


女性たちが海水で身を清めて健康を祈り、ごちそうを楽しむのが習わしとされます。
潮干狩りみたいな行事です。
ひな飾りを飾ったり菱餅やひなあられなどを食べたりする内地のひな祭りとはかなり違います。





海水につかるのは、厄払い的な意味が強いのですが、これは内地のひな祭りも同様に厄よけの意味がありました。
内地のひな祭りの起源は、平安時代までさかのぼります。
昔の日本には五つの節句がありました。
この節句という行事が、貴族の間では季節の節目の身の汚れを祓う大切なものだったとのこと。

また、ひな飾りを飾るのは、昔は出産の際の死亡率が高かったので、命を持っていかれないよう、枕元に身代わりの人形を置く風習がありました。
この風習は、自分の災厄を引き受けてくれた人形を流す「流し雛」へと発展していきました。


一方、沖縄の「浜下り」の由来に関する民話があります。

17歳の娘の元に美青年が夜な夜な訪れて妊娠させてしまいます。(これ自体は、当時はごく普通の習慣でした。)
しかし、実はこの美青年の正体は蛇の化け物。(「ハブ」よりも、たいていは「アカマタ」という蛇の化身という説が一般的です。)
どうしたらいいかと、高名な呪術師に対策を尋ねると、海水で下半身を清めるように言われます。
言われたとおりに海水につかると、娘の身体から足もとへと蛇の子どもがじゃらじゃらとでてきた……という、かなりエグイ、ある意味「望まぬ妊娠と堕胎」という、非常にヘヴィーなテーマが絡んだ物語となっていますo( ̄ー ̄;)ゞううむ


元々はそんな由来があっても、今ではみんな女性だけで楽しんで浜下りの行事をおこなっているのが、沖縄の文化のおおらかさです。


そんな浜下りですが、沖縄の中でも糸満にだけは、なんと、
男だけの浜下り
が存在するのです!ヾ(。`Д´。;;;)ノ


その名も、ピーリンポーリン!


沖縄タイムス2011年4月6日の記事によると、
『100年以上続くという伝統行事で、60〜80代のお年寄りが参加。
海の神に村の繁栄や健康を祈願し酒を酌み交わした。』

とのこと。





喜屋武海岸近くの拝所「ジルーメー」で行われ、歌三線や太鼓を響かせ踊ったりもします。


なぜ男だけで行うのか、どういった由来なのか、ピーリンポーリンとはどういう意味なのでしょうか?
実は、起源はよくわかっていないとのことです。

沖縄タイムスによると、
『喜屋武地域では、2005年から字誌の編さん作業を続けている。
編さん委員長の伊礼幸徳さん(72)らは
「来春をめどに完成させたい。この行事の意味や起源が分かる方は情報を寄せてほしい」
と話している。
情報は喜屋武公民館へ。
電話098(997)3665。』

とのことです。



……






……






……結局、ピーリンポーリンってなんなんだーーーっ!!!!!煤i ̄□ ̄;)ハウッ




この記事を読んだ後の不完全燃焼感といったらありゃしませんでした。

そこで、自分で調べてみたのですが、インターネット上にはやはり一切情報はなし。
生粋の沖縄生まれの人ですら、「ピーリンポーリン」の意味さえ分からない様子なのです。


しかし、このままでは終われません!o( ̄へ ̄*)むん


自宅にある文献類から、何かないかと漁ってみました。


ヒントになりそうなものが一つだけ見つかりました。
それは、「ピーリンポーリン」の語意を調べたところが糸口です。
取り出したるは、国立国語研究所編『沖縄語辞典 (国立国語研究所資料集)』なり。
かなりマニアックな沖縄語の辞書です。


「ピーリンポーリン」自体はありませんでした。
また、「ピーリン」や「ポーリン」そのものもなし。

しかし、
ピーリンパーラン」(piriN paraN:副詞)
という言葉が出てきました!

意味は、
「ぺちゃくちゃ。おしゃべりするさま。」
とのこと。


…!
こ、これはっ!!煤i@□@;)


今に続くピーリンポーリンの状態そのまんまじゃないですかっ!!!ヾ(。`Д´。;)ノ


えーと、もう少し想像力を働かせてみましょう。

この日、女性達はみんな浜下りで楽しそう。
男達は蚊帳の外。
「けっ」
などと強がってはみるものの、内心は「いいなぁ」と思っていたりするのです。
そういう男達が愚痴っている間に、
「じゃあ、うちらは男だけで集まって酒でも呑もうぜ」
「集まっても、ピーリンパーラン…ダベるくらいしかすることないけどな。笑」
そんな感じで、拝所の前で飲んだり歌ったりして、疎外感やウサを晴らしたのでしょう。


いつしか、「ピーリンパーラン」が訛って、「ピーリンポーリン」になり、由来不明のまま今に至っているのだと想像します。



孤独な男たちの“しゃべり場”が「ピーリンポーリン」だったはずです!(; ̄∀ ̄A
posted by よーかい at 02:24 | 沖縄 ☀ | Comment(3) | よーかい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
だぁ〜る。ピリンパラン食べてピーリンポーリンしちゃうわけだ。

…あぁネムイ(ΘoΘ;)ダリカツッコンデ
Posted by しっぽ♪ at 2011年04月10日 06:33
>しっぽさん


こんばんは。
コメントどうもありがとうです。


>ピリンパラン食べてピーリンポーリンしちゃうわけだ。

「ピリンパラン」とか「ピーリンパーラン」って、今でも普通に使う言葉なのでしょうか?
…単に個人的に会話で聞いたことがないだけかな??σ(^_^;)アセアセ...


『日常会話のウチナーグチ6500』(玉城雅巳編、南風社)という沖縄語ミニ辞典には載っていなかった言葉でした。


ちなみに、同書によると、「ヒリホーイン」だと「あたりかまわず、屁をひり散らす」とう意味だそうです。(関係ないですね。はい。)
Posted by よーかい at 2011年04月12日 02:48
はぁやぁ。

…ぴーりんぽーりんやぴりんぱらんぬ意味やいびたんなぁ〜。

いきがぬはまうい、続けてもらいたいですね!

あっぴーたーよー。
伝統ぬいちゅまん風義、守ってくださいね〜!

Posted by すいんちゅ at 2012年12月12日 02:25
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